スマートエネルギーシステム設計

太陽光発電とガスエンジンを組み込んだ熱電併給型マイクログリッドの動的解析

1.はじめに

現在、地球温暖化が人類にとって重要な問題となり,低炭素社会の実現に向けた広範な取り組みが行われています.そのなかで,電力供給の最適化を含めたスマートグリッドに関する研究は数多くされていますが,熱マネジメントを含めた全体のエネルギーを考慮した都市設計およびグリッドに関する研究は少ないです.よって本研究では,最終目的を太陽光と熱マネジメントを含めた熱電併給型マイクログリッドの構築とし,そのアプローチ手法として解析ツールを作成し動的な検討をしました.

2.解析の概要

エネルギーには熱・電力があり,熱電力を統一して考えるために,化学反応に置き換えて考えることとします,置き換えた図をFig.1に示します.

Fig.1 熱・電力から化学反応への変換

Fig.1 熱・電力から化学反応への変換

各種エネルギーを化学反応で置き換えることにより,実現象で生じる電圧降下等を上記で示すような損失項で置き換える事が出来ます.以上のことを考慮して解析します.具体的なフローチャートをFig.2に示します.なお解析の手順としてまず太陽光発電(以下,PV)とガスエンジンおよび蓄電池で構成される電力と熱出力を解析します.

Fig.2 熱電併給型マイクログリッドのフローチャート

Fig.2 熱電併給型マイクログリッドのフローチャート

以上の内容をVisual Modeler(㈱オメガシミュレーション,以下VM)およびC++を用いてプログラム化しました.また,この解析プログラムでは,外部条件として需要電力,熱需要および日射量を経時変化として組み込みました.

2015-03-21